| 心に残る演奏会 第1章 ≪Alfred Schnittke 1934-1998≫ | ||||||||||||||
| 生涯忘れない思い出として残る演奏会は多数ありますが、 その中でも特に印象深いものが、作曲家Alfred Schnittkeの作品 “Requiem”、“Faust Cantata”、“Dead souls”の上演でした。 |
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| 時はモスクワオリンピック前の1980年頃、場所はモスクワ音楽院大ホールでした。 "Requiem"はすでに海外で初演はあったものの、ソ連国内ではまだ正式に演奏されて いませんでした。当時、私はモスクワ音楽院の大学1年生で、思いがけなく作曲理論 学部の先輩に「是が非でも」聴くべき音楽会があると誘われて、友人何人かと一緒に 一般公開前の関係者のみ入場できる、特別な演奏会に連れて行っていただきました。 (私達は学生でしたから、2階席の階段近くで、ず~っと立ち見でした)。 周りの客席には上層部や音楽関係者のお偉方ばかりで、何だか始まる前から張り詰め た空気が漂い、ご時世柄、最後まで無事に滞りなく演奏することができのるか、心配 するインテリ階級の招待客も大勢見受けられ、私はすっかり緊張してしまいました。 |
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10月9日第2部で演奏された“Dead Souls”組曲は ゴーゴリの風刺小説「死せる魂」の映画のために 作曲された音楽を基に8曲にまとめられ、曲の中、 メトロノーム2台がステージに登場、カチカチと 音を出す大変ユーモラスな楽しい曲で、指揮者を 始め演奏者の表現力で客席のお笑いを誘う事も求 められる、いかにもシュニトケらしい遊び心のあ る曲ですが、何よりもロジェストヴェンスキー氏 の巧みなエンターテイナー性に心を奪われました。 |
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| 一切無駄のない手の動き、コメディアンになりきった指揮者の豊かな顔の表情、 シンプルで、演奏者にも観客にも解りやすい身体を使ったジェスチャー、 舞台と客席が一体になって、音楽を楽しむひと時を過ごせたこと、 時折風刺も織り込まれた多様式主義の、どれも素敵な8曲を演奏出来たこと、 ―どれも大変得難い学びの日となりました。― |
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10月15日第2部で演奏された"Faust Cantata"は ソリスト選任に関する多くの面白い逸話が残され ていますが、テノール歌手とバス歌手、コントラ アルト(女声パート中で最も低い音域)、コントラ テノール (男性パートで女声に相当する高い音域) の4人のパートがあり、どの様な方々が歌ってく ださるのか、リハーサル初日から実際にステージ 上演出付き練習という事で、オーケストラパート 譜を読みしながら、とてもわくわくしていました 。 |
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| まずは、コントラアルトの大柄な女性のソリスト(適役を探すのにものすごく苦労した らしい初演時と同歌手)に驚き、地底から聞こえてくるような歌声を聴いて仰天してし まいました。コントラ・テノール歌手は、色白で、やせ型のお人形さんの様な、綺麗な 青年で天使のような声で歌い、とても、自分の演奏する楽譜に集中できない光景ばかり 続く35分間でした。古典的で、宗教的な要素とグロテスクで悪魔チックな要素が交じり 合いながら、不協和音なんぞなんのその、客席の後方のドアから、メフィストフェレス (コントラアルト)が歌いながら入場し、指揮者の手を借りて、そのままステージの中央 に堂々と登壇して聴衆を驚かせ、その立派な体格と、太くて低い声に腰を抜かす男性の 方々続出(本番中は笑ってしまってはいけません)でした。客席全体を聴覚的にも視覚的 にも虜にしてしまう劇中にいるような演出は大変勉強になり、今でも忘れられません‼ |
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| 【参考視聴音源】 "Requiem" ( レクイエム ) ・Credo ( クレド レクイエムの13曲目 ) "Dead Souls"Suit for Orchestra by Gennadi Rozdestvensky based on Schnittke's film Music ( 組曲「死せる魂」) "Faust Cantata"(Seid nuchtern und wacht...) (ヨハン・ファウスト博士の歴史) |
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| ☆ 写真は、1994年のフェスティバルプログラムより、表紙・プログラム・中表紙・シュニトケご夫妻 | ||||||||||||||
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